訪れたなら味わいたい!東京の郷土料理
日本はおろか、世界中のさまざまな料理が集まる東京は世界一グルメな街でもあります。
東京の郷土料理といえば、日本料理の花形でもある「江戸前寿司」が特に有名ですが、ほかにはどんなものがあるのでしょうか?
■深川飯(丼)
もともとは、忙しい漁師が船上で食べていた漁師めしの1つです。
今より水質も良かった江戸時代、東京湾はアサリの漁場としてにぎわっていました。
採れたてのアサリを使った味噌汁をご飯にかけた汁かけ飯が、徐々にアレンジされて現在の形になったようです。
味噌で味付けしたものを「深川丼」、しょう油で味付けしたものを「深川飯」と区別することもあります。
■品川飯
深川飯に入るのはアサリですが、品川飯はエビの仲間であるシャコを使った料理です。
はじめからシャコとご飯を一緒に炊き上げるもの、炊きあがったご飯に煮付けたシャコをのせるもの、卵でとじるものなどのタイプに分かれます。
気取らずに、豪快にかきこんで食べるのが江戸っ子流です。
■島寿司
日本の最東端・最南端を含むだけあって、「東京」の範囲はかなり広いものです。
島寿司は、東京都の伊豆諸島にある八丈島の郷土料理です。
醤油に漬けた刺身の色から別名「べっこうずし」とも呼ばれています。
タイやマグロ、カジキ、シイラ、トビウオといった地魚をしょう油・酒・砂糖で作ったたれに漬け、こちらも砂糖が入った酢飯で握ります。
薬味には、ワサビの代わりに練りがらしを使うのがポイントです。
甘さの中に、ピリリとしたからしが加わることで良いアクセントになります。
■ちゃんこ鍋
「ちゃんこ」とは相撲用語で食事全般を指し、鍋に限らず食べ物は全てちゃんこと呼ばれます。
部屋ごとに醤油や味噌といった味付けのバリエーションがあり、野菜・肉・魚とどんな食材でも受け入れる懐の深い料理です。
相撲の本場である墨田区両国を中心に、東京では本格的なちゃんこ鍋が味わえます。
■ドジョウ料理
ウナギと同様、体がヌルヌルしているドジョウは、精がつく食べものとして江戸っ子にも愛されてきました。
ドジョウには、天ぷら、から揚げ、蒲焼といった料理がありますが、その中でも特に有名なものが「ドジョウ鍋」です。
骨抜きしないドジョウを丸ごと煮込む「丸鍋」、開いたドジョウをゴボウと一緒に卵でとじた「柳川鍋」といったバリエーションがあります。
■ねぎま鍋(葱鮪鍋)
ネギとマグロを中心に、さまざまな具材を割下で煮込む鍋料理です。
今でこそマグロのトロ部分は高級食材として扱われていますが、赤身が好まれた江戸時代、トロ部分は食用とみなされずにその多くが捨てられていたそうです。
しかし、このねぎま鍋のように煮込んだり、あぶったりといった調理法が考え出され、トロも次第に人気を得ていきました。
東京の郷土料理には、他に軍鶏鍋、べったら漬け、佃煮、アシタバ料理といったラインナップがあります。
東京を訪れたら、オシャレなレストランやカフェだけでなく、古くから愛される庶民の味も楽しんでみてはいかがでしょうか?